こんな方におすすめ
機械学習でも必要な「期待値」と「分散」の基本的な内容について知りたい.
確率 #まとめ編
Index
期待値
確率変数 ( と表現されることも )
定義
期待値(Expectation)と呼び、 ( もしくは、 )と書く.
確率変数 / 確率分布
平均
- 代表値のひとつ
- yhayato1320.hatenablog.com
確率分布 が離散分布のときは、以下で与えられる.
確率分布 が連続分布のときは、以下で与えられる.
どちらの場合も、確率分布や確率密度から得られた有限個の 点を用いて、
期待値はこれらの点での有限和で近似できる.
と変形でき、この式から、 を前提にしている.
つまり、どの確率変数も同様に発生する確率を持つことを前提にしているのである.
多変数関数の期待値を考える.
この場合は、どの変数について平均をとるかを示す添字をつける.
条件付き期待値
条件付き確率 (分布) についても 条件付き期待値 を考えることができる.
- 条件付き確率
計算例
サイコロを例とする.
サイコロを転がすと以下の表に応じた金額が貰える.
しかし、サイコロには特殊な細工がされて出る確率が操作されている.(下表)
サイコロ目 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
---|---|---|---|---|---|---|
金額 | 100万 | 200万 | 300万 | 300万 | 200万 | 100万 |
確率 | 1/12 | 2/12 | 3/12 | 3/12 | 2/12 | 1/12 |
貰える金額の期待値を算出するために、このサイコロの確率分布 を考える.
確率分布は離散分布ということが分かる.
また、サイコロの出目を としたときの貰える金額の関数 は以下のように表せる.
貰える金額の期待値]は
と計算できる.
つまり、このサイコロを1回振ったときに貰える金額の期待値は233万になる.
もしこのサイコロを1回振るのに200万を払わなければならないのだとすると、確率的には得になるし、300万だとすると損になる.
このような計算で宝くじの期待値も計算できる.
分散
定義
確率変数 の 分散(Variance)は、期待値が ] のとき、以下のように定義される.
と定義され、 がその平均値 ] の周りでどれくらいばらつくかの尺度となる.
2 乗を展開すると、分散は と、 を使って、
と書くこともできる.
共分散
2 つの確率変数 と の共分散は、
と定義され、 と が同時に変動する度合いを表している.
と が独立なら共分散は 0 になる.