オムライスの備忘録

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【統計学】条件付き確率と乗法定理

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統計学の基礎となる「条件付確率」について知りたい

Index

条件付確率とは

2つの事象  A,\ B があったとする.

そのとき、事象  B が起こったと分かっている場合に、事象  A の起こる確率を 「B を条件とする A の条件付確率 (Conditional Probability)」とよび、 P(A|B) と表す.

定義

 A の条件付確率は、 B が起こった場合に、 そのうちさらに  A の確率であるので、以下のように定義する.

 P(A | B) = \displaystyle \frac{P(A \cap B)}{P(B)} \tag{1}

つぼに、同じ大きさ・手触りの白玉を3つと黒玉を3つの合計6つの玉を入れる.

このつぼから1つの玉を取り出すものとする.

また、玉には【1】or 【2】の数字が書いてあり、以下ように割り振られている.

  • 白玉 : 【1】 x2 , 【2】 x1
  • 黒玉 : 【1】 x1 , 【2】 x2



ここで、数字だけに注目して、【1】、【2】を当てる賭けをしているとする.

そして、引いた玉の色が見え、それが白玉だったとしたとき、【1】、【2】のどちらをコールするほうがよいのかを考える.



もし色がわからなければ、それぞれの確率はこのようになる.

 P(【1】) = \displaystyle \frac{3}{6} = \frac{1}{2}



しかし、今、白玉とわかっているので、引いた玉の数字が【1】である確率は  P(【1】\ |\ 白) と表現できる.

そして、その確率は、以下のように計算できる.

 P(【1】\ |\ 白) = \displaystyle \frac{P(白 かつ 【1】)}{P(白)} \\
= \displaystyle \frac{\frac{2}{6}}{\frac{1}{2}} \\
= \displaystyle \frac{2}{3}



つまり、引いた玉が白玉だった場合は、【1】が出る確率が高いため、 【1】をコールする方がよい.

乗法定理

条件付確率の定義式 (1) を変形することで、以下のように表現できる.

 P(A \cap B) = P(B) \cdot P(A | B) \tag{2}



この式を確率の乗法定理と呼ぶ.

一般化

乗法定理の定義式 (2) の左辺は  P(A \cap B) のように事象同士の積集合で表現しているが、 同時確率  P(A, B) と表現することができ、以下のようになる.

 P(A, B) = P(B) \cdot P(A | B) \tag{3}

まとめ

  • 条件付確率は、別の事象の情報を元に、求めたい事象の確率をさらに正確に表現することができる

参考