オムライスの備忘録

数学・統計学・機械学習・プログラミングに関することを記す

【統計学】確率空間

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 \sigma 集合体 / 可測集合族

起こりうることがら全体の集合である、標本空間を  \Omega で表す.

標本空間は、コイン投げや、サイコロ投げのように、有限個の要素 (標本点) からなるケースだけでなく、 実数の集合  R\ =\ (\ -\infty,\ \infty\ )や、区間  (0,\ 1] や、ベン図のように面積が  1 の長方形など、 無限の標本点を含む場合がある.

事象は、 \Omega の部分集合であるとしたが、任意の部分集合で良いわけではなく、数学的に、矛盾なく 体系を組み立てるための制限がある.

まず、 \Omega部分集合の集まりとして、 \sigma 集合体を定義する.

 \sigma 集合体 / 可測集合族  \Omega の部分集合の集まり  F が次の性質を満たすとき、 F \Omega 上の  \sigma 集合体 と呼ぶ.

  1.  \Omega\ \in\ F
  2.  A\ \in\ F\ \Rightarrow\ A^{c}\ \in\ F
  3.  A_{i}\ \in\ F\ (i\ =\ 1,\ \cdots,\ )\ \Rightarrow\ \displaystyle \bigcup_{i=1}^{\infty}\ A_{i}\ \in\ F



 \sigma 集合体 / 可測集合族の要素を可測集合という.

 \sigma 集合体の例

  •  F_{1}\ =\ \{\ \emptyset,\ \Omega\ \}
  •  F_{2}\ =\ \{\ \emptyset,\ A,\ A^{c},\ \Omega\ \}


 \Omega\ =\ R \Omega\ =\ (0,\ 1] の場合を考えると、 標本点は無限個であるため、すべての部分集合の集まりを考えると、 フィールドが大きすぎて、確率をうまく定義できない.

可測空間

 \Omega F の組  (\Omega,\ F) は、可測空間と呼ばれる.

確率測度

可測空間を  (\Omega,\ F) とする.

数学的には、確率とは、  F の各要素 ( \Omega の部分集合つまり、ある事象) に  0 から  1 までの値 (確率値) を与えること と考えることができる.

数学的に矛盾なく体系を組み立てるために、次の条件を満たすように、確率測度  P を定義する.

確率測度

次の条件を満たす実関数 (事象 -> 確率値) を確率測度と呼ぶ.

  1.  \forall A\ \in\ F に対して、 0\ \leq\ P(A)\ \leq\ 1
  2.  P(\Omega)\ =\ 1
  3. 互いに排反である加算個の事象  A_{1},\ \cdots,\ \in\ F に対して、
     P \left(\ \displaystyle \bigcup_{i=1}^{\infty} A_{i}\ \right)\ =\ \displaystyle \sum_{i=1}^{\infty} P(A_{i})

測度

上の条件の 1 と 3 を満たす関数を測度という.

確率空間

標本空間  \Omega \Omega 上の  \sigma 集合体  F (事象の集合)、 確率測度  P (確率の計算方法)の組 ( \Omega,\ F,\ P) を確率空間と呼ぶ.

参考