Index
- Index
- Spectral Graph Convolution Network / Spectral GCN
- フーリエ変換
- グラフラプラシアン / Graph Laplacian
- グラフフーリエ変換
- グラフ畳み込み演算
- 応用アルゴリズム
- 参考
Spectral Graph Convolution Network / Spectral GCN
GCN における手法のひとつ.
- Graph Convolutional Netwrok / GCN
信号処理の考えに基づいたもの.
信号処理では、信号を周波数領域へと変換することによって、 圧縮やノイズ除去などを効果的に行う.
フーリエ変換
信号処理では、音声などの波形をフーリエ変換によって周波数変換し、
その上で、ノイズ除去などをして逆変換をする.
変換の狙い
信号処理は、時間-周波数解析によって、周波数領域へと変換する.
変換することで、圧縮・伝送・保存等の処理に対して、効果的な理論や応用を与えている.
グラフラプラシアン / Graph Laplacian
時系列信号に対する処理であるフーリエ変換を、グラフに対して、適用することを考える.
グラフにおいて、フーリエ変換に相当する処理が、グラフラプラシアンである.
ある単純無向グラフ の隣接行列 を考える.
- 単純グラフ / 無向グラフ / 隣接行列
次に、次数行列 を考える.
グラフラプラシアン を以下のように定義する.
正規化グラフラプラシアン
利用場面
- グラフ上のランダムウォーク
- グラフの連結性の判定
- グラフからのコミュニティ検出
特異値分解
(正規化) グラフラプラシアン の固有値を [tex: \lamdba{i}]、対応する固有ベクトルを [tex: u{i}] とする.
これらを利用して、以下のように表現する.
フーリエ変換との関連
各固有ベクトルに対するスペクトルを、時系列信号における周波数成分と対応づけると、
フーリエ変換における考え方がグラフに対しても適用できるようになる.
信号処理において、入力を周波数成分に変換したように、 グラフにおいても、グラフラプラシアンの固有ベクトルごとの成分に変換して、 その上で畳み込みなどの処理を行う.
グラフフーリエ変換
の固有ベクトルから構成される行列 を用いて、
グラフフーリエ変換を行う.
をノードの特徴ベクトルとする.
グラフフーリエ変換 と、逆グラフフーリエ変換 を以下のように、定める.
もしくは、
すなわち、入力グラフ信号を、グラフラプラシアンの固有ベクトルが張る直行空間に射影する操作が、 グラフラプラシアン変換である.
グラフ畳み込み演算
グラフラプラシアン変換の出力結果に、畳み込み演算を行う.
ここで、 はパラメータ.
また、グラフ畳み込み演算は、スペクトル領域で行う畳み込み演算であるため、
と をグラフフーリエ変換することから始まり、
畳み込み演算 (要素積)を行い、また元の領域へ逆グラフフーリエ変換することを考える.
すると、
とおくと、以下のようになる.
畳み込み情報の工夫
しかし、このようにして定義したフィルタはグラフ構造に依存せず、
畳み込みにおいて望ましい性質 (局所性など) を持っていない.
すると、グラフフーリエ変換した結果は、以下のようにかける.
課題
- グラフラプラシアン の固有ベクトルからなる行列が必要になり、 行列計算や固有値分解に少なくとも の計算量がかかる.
- フィルタは、グラフラプラシアン の固有ベクトルの基底に依存しているため、 異なる大きさや構造の複数のグラフ間で、パラメータを共有できない.
- Spatial GCN
応用アルゴリズム
ChebNet / 2016
上の 1 つ目の課題における対応策.
フィルタ を 次までのチェビシェフ多項式を用いて、近似する.
- Convolutional Neural Networks on Graphs with Fast Localized Spectral Filtering
- [2016]
- arxiv.org
GCN (Kipf & Welling) / 2016
GCN の代表的な手法で、GCN と称される.
- GCN (Kipf & Welling)
参考
書籍
- グラフニューラルネットワーク PyTorch による実装