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ARMA 過程 / ARMA モデル
ここでは、1 変量の時系列データを分析するための基本的なモデルである
自己回帰移動平均 / ARMA 過程について考える.
- 統計モデル / 確率過程モデル
ARMA 過程の性質
経済・ファイナンスデータの中には、自己相関をもつデータが数多く存在する.
そこで、自己相関をモデル化する必要が出てくるのであるが、
自己相関をモデル化する方法としては、主に 2 つ考えることができる.
- MA 過程
- AR 過程
例
ここで、1 次の自己相関を例として考えてみる.
このとき、 と が相関を持つようなモデルを構築できればよいのであるが、
まず、1 つ目の方法としては、 と モデルに共通の成分を含める方法が考えられる.
例えば、 と を以下のようにモデル化したとすると、
共通の成分 を通して、 と が相関をもつことが期待できる.
また、もう 1 つの方法としては、 のモデルに を含めることも考えられる.
このとき、 と が相関を持つことは明らかである.
前者が、移動平均 / MA 過程の考え方であり、後者が、自己回帰 / AR 過程の考え方である.
MA 過程 / AR 過程
モデルの推定
ARMA 過程を用いた ARMA モデルの推定を考える.
モデルの推定 (つまり、パラメータの特定) には、よく、最小二乗法や最尤法が利用される.
モデルの選択
真のモデルが定常かつ反転可能な ARMA (p, q) 過程であるとして、
与えられたデータに対し、最適な ARMA モデルを決定する方法を議論する.